トップ > 市政の動き > 市の概要 > 市長の部屋 > 施政方針 > 令和2年度施政方針

更新日:2020年4月3日

ここから本文です。

令和2年度施政方針

このページでは、令和2年度施政方針についてご紹介しております。

施政方針の概要

施政方針の概要版は、広報たるみず4月号でご紹介しております。

施政方針の全文

施政方針の全文は、令和2年第1回垂水市議会定例会にて表明した内容を次のとおり、ご紹介しております。

はじめに

新しい時代の幕開けとなる令和元年度を振り返りますと、これまでの想定を超えるような大規模災害が日本列島を襲った一年でありました。

特に、9月と10月に発生した大型台風により、関東を中心とした東日本各地では、堤防決壊による洪水や土砂崩れなどの災害が発生し、各地に甚大な被害をもたらしました。

本市におきましては、幸いにも人的被害はなかったものの、7月の梅雨前線に伴う大雨により、協和小学校の裏側や浜平鉄道線路跡の土砂崩れが発生しており、また、本城川堤防の崩壊などの被害もありました。また、8月下旬には九州北部地方を中心に局地的に猛烈な雨が降り、大規模な被害が発生しております。

このように、昨今、各地で甚大な自然災害が頻発しており、本市の災害に対する備えが、実情に即しているかどうか検証する必要があります。

そこで、早めの避難所開設を継続するとともに、市民の安全をいかに確保するか課題を洗い出す訓練を行い、安全なまちづくりを最優先に取り組み、「災害が発生しても人災ゼロを目指す」強い決意でおります。

また、安全なまちづくりの取り組みの一つに、新庁舎建設がございます。現在の本庁舎は、多くの市民の皆様が利用する施設ですが、築60年が経過しており、新耐震基準を満たしておらず、大変危険な状況であります。

私は、平成23年1月に垂水市長に就任させていただきましたが、同じ年の3月に東日本大震災が、平成28年4月に熊本震災が発生しました。これらの災害では、多くの自治体で災害拠点となる庁舎が被災したことから、本市の庁舎についても、災害に強く、市民の安心安全を守ることができる新庁舎を一刻も早く整備することが求められております。

そこで、本市としましては、平成24年2月、「垂水市庁舎建設等庁内検討委員会」、平成29年6月には、外部検討組織である「垂水市新庁舎建設検討委員会」を設置し、専門的視点や

市民目線での検討に努め、平成30年3月に「垂水市新庁舎建設基本計画」を策定したところでございます。

この間、各市議会定例会において、議員の皆様に新庁舎建設事業の取り組み状況のご報告をはじめ、一般質問などを通じて、新庁舎建設に対する考え方をご説明させていただき、平成30年3月に「新庁舎建設に対する基本設計及び実施設計」に対する予算を、平成31年3月に「柱頭免震構造の採用による詳細な地質調査」に対する予算をご提案し、慎重審議の上、議決いただきました。

一方で、昨年は、建設場所に対する賛否を問う住民投票条例案の制定を求める直接請求がありました。庁舎建設に対しては様々な考え方がございますが、請求の趣旨にありました建設場所に対する不安や疑問点に対しては、引き続き、広報誌や市民の皆様との対話の機会を設け、確かな情報を皆様方にお届けできるように努めてまいります。

東日本大震災以降、わが国では大規模災害が頻発しており、自然災害に対する備えを万全にするとともに、防災拠点としての新庁舎建設の重要性を改めて実感させられた一年でありました。

そこで、防災を含めたまちづくりの拠点として、次世代にしっかりと引き継ぐことができる新庁舎建設に取り組んでまいります。

昨年を振り返りますと、まず思い出されることは台風16号災害でございます。平成28年9月20日未明、南大隅町付近に上陸した台風16号は、午前2時ごろ垂水市に最接近し、市木地区で時間雨量154ミリを記録する猛烈な風雨により市内全域に深い爪跡を残しました。道路や橋の一部崩落をはじめとする社会基盤、家屋、農林水産物等に大きな被害を受け、その被害総額は約37億円にのぼりました。改めて、被災された皆様に対しましてお見舞い申し上げます。

これから本格的な復旧工事がはじまりますが、国の特段のご配慮をいただき、農林水産災害に対しましては激甚災害、土木災害に対しましては局地激甚災害の指定を受け、昨年末までに災害査定が終了いたしました。災害復旧にあたっては、垂水市職員やボランティアの方々をはじめ、関係者の皆様方のご尽力に感謝申し上げます。今後、早期復旧に向けて全力で対応してまいりたいと考えております。

今回の台風は、幸いに人的被害が発生しませんでした。このことについては、これまでの防災対策と市民の皆様のご理解が深まり行動されたものと受け止めておりますが、やはり自然災害の脅威を改めて認識したところでございます。さらに身を引き締め、私の政治理念・政治姿勢でございます「安心安全で住んでよかったまちづくり」と「市民の皆様の幸福」を実現できるよう努めてまいります。

私は市長に就任し、2期目3年目を迎えます。市政運営にあたっては、これまでと同様、第一に多くの市民の皆様との対話を重視し現場を大事にしていく姿勢、第二に様々な情報の積極的な発信と説明責任を果たしていく姿勢、第三にあらゆる場面で私自身が率先して動き、様々な改革に勇気を持って取り組む姿勢を示しながら、これまで培った国や県とのパイプを生かし、市政運営に努めていきたいと考えております。

政治理念

また、私の市長としての最大の使命は、先人たちが築き上げたこのまちを次世代に引き継ぐことであり、市長に就任して以来、「垂水市の発展」と「市民の幸福」の実現を政治理念に掲げ、「元気な垂水市をつくる」という強い信念のもと市政運営に取り組んでまいりました。

昨年実施致しました市民満足度調査において、「介護予防、生きがいづくりの推進と居宅サービスの充実」及び「健康づくりの推進と医療体制の充実」の項目で満足度が高い結果が出ております。

これらは、平成29年4月1日に、医療・介護・予防の連携のための拠点施設である垂水市地域包括ケアセンターをオープンさせたこと、また、同年4月30日に、鹿児島大学病院の大石副病院長に垂水市スーパーバイザーに就任していただき、「たるみず元気プロジェクト」をスタートさせたことが非常に大きな成果として現れてきた結果であると考えております。

引き続き、市民の皆様が生涯を通じて健康づくりに取り組めるよう事業を推進し「安心安全で住んでよかったと思えるまちづくり」を市民の皆様に実感していただけるよう、また、「九つの彩り豊かに健やかな人を育むまち垂水」を、まちの将来像とする第5次垂水市総合計画の実現のため、市政の発展に全力で邁進する決意でございます。

 

政治姿勢

そこで、これらの政策を実現するため、三つの政治姿勢をもって臨んでまいります。

第1に、市民の皆様の声に耳を傾け、対話を重視し、現場を大切にしてまいります。

第2に、市民と行政とで情報を共有していくため、積極的な情報発信を行い、開かれた市政を推進するために、市民への説明責任を果たしてまいります。

第3に、これまでの3期9年間の市長経験、その過程で培ってまいりました、国、県及び近隣市町との信頼関係や連携・協力関係を最大限に活用してまいります。

本市を取り巻く環境は、さらなる高齢化と若者の流出などによる人口減少が進行し、さらには世界的な見通しが不安定な経済状況などにより、まだまだ先行き、見通しがたてにくい状況ではありますが、この厳しい環境を職員と共有し、まちづくりに責任をもって取り組んでまいります。

主要施策

それでは、令和2年度の主要施策について、私の公約を踏まえ、第5次垂水市総合計画に掲げるまちづくりの目標に従い、順次、重点的に取り組む施策について方針を述べさせていただきます。

安心への挑戦

一つ目、「元気な垂水づくり!安心への挑戦」では、第5次垂水市総合計画に掲げる、まちづくりの目標「安心していきいきと暮らせるまち」と「豊かな自然の恵みを次世代に受け継ぐまち」の形成に取り組みます

新庁舎建設

はじめに、「新庁舎建設」についてであります。現在、実施設計の最終段階でございます。実施設計完了後、新庁舎建設基本計画に基づき、令和2年度内の建設工事着手に向けて事業を進めてまいります。

たるみず元気プロジェクト

次に、「たるみず元気プロジェクト」についてであります。全国平均を遥かに超える高齢化が進行している本市において、市民の健康寿命の延伸を図ることを目的に、鹿児島大学病院副病院長で垂水市スーパーバイザーの大石充教授を中心に鹿児島大学病院と連携して健康チェックを実施し、参加者のデータを分析することにより、健康長寿に向けたモデルケースを確立し、全国に発信していこうと取り組んでいる事業であります。

令和元年度は、垂水市中央病院や市民館などの会場で健康チェックを実施し、1,028人の市民が参加されました。参加された数名に重篤な疾患が発見され、早期発見・早期治療の機会を提供することができております。

加えまして、本年1月末まで3回にわたり結果報告会を開催し、参加された個人へのデータバックを行うとともに、大学の先生方から健康長寿に向けた健康づくりに関するご講演をいただいております。

令和2.年度においても、引き続き鹿児島大学医学部、医師会などと協働し、健康チェックの

内容を充実させるとともに、回数や場所の工夫、時間の効率化などの運用面の改善を図ってまいります。

健康ポイント事業

加えて、平成30年度から実施しております「健康ポイント事業」の利便性の向上を図り、一人でも多くの市民の皆様が参加しやすい環境づくりに取り組んでまいります。

介護、医療及び地域包括ケア

次に、「介護、医療及び地域包括ケア」についてであります。先ほども申し上げましたとおり、全国よりも進行している超高齢化社会にある本市においては、要支援・要介護者全体に対応できる介護サービス提供施設やサービス事業者が、需要量に対して供給量を満たしていない現状にあります。

また、医療体制におきましては、近年、市内の診療所の閉鎖が相次ぎ、さらに病床を有する病院の閉鎖により、多くの入院病床が失われており、本市の介護や医療の供給体制は非常に厳しい状況にあるため、早期に解決すべき課題であると認識しております。

このようなことから、地域の保健・医療・介護・予防・生活支援が一体となって機能することができる、本市に特化した地域包括ケアシステムづくりをさらに進めてまいります。

高齢者支援

次に、「高齢者支援」についてであります。高齢者支援においては、新たな取り組みとしまして、高齢者の積極的な社会参加と健康維持・増進・移動支援を目的として、65歳以上の市民を対象に温泉入浴、バス、タクシー利用時に使用できる共通チケットを交付する「たるたるおでかけチケット交付事業」を実施してまいります。

防災対策

次に、「防災対策」についてであります。本市では、災害対策基本法に基づき、災害予防、災害応急及び災害復旧・復興対策を適切に行えるように、垂水市地域防災計画を策定しており、この計画に基づき、毎年、風水害の想定を設けた総合防災訓練と桜島の噴火を想定した桜島火山爆発総合防災訓練を実施し、その検証結果を、地域防災計画等の改正に反映させるなど、防災対策の強化を図っております。

なお、本年1月11日に実施した「桜島火山爆発総合防災訓練」は、大正噴火以降50回目の節目であり、桜島が大正大噴火級の噴火を起こした後、大量の降灰により市内全域が埋没している状況を想定した防災訓練を実施いたしました。

今回の訓練では、国土交通省や海上自衛隊などの多くの関係機関に参加いただくとともに初めての試みとしまして「道の駅たるみずはまびら」を訓練会場に定め、防災拠点としての有効性について、検証及び確認を行ったところでございます。

引き続き、令和2年度においても、出水期前の総合防災訓練と危険箇所等の共通認識のための防災点検や桜島火山総合防災訓練を実施してまいります。

災害応急対策

「災害応急対策」につきましては、災害時の情報伝達の強化を図るため、防災無線、防災ラジオ、避難所の特設公衆電話などを整備しており、避難所開設の情報のほか、気象・河川情報などを迅速かつ明確な情報発信に努めております。

近年、スマートフォンの普及により情報発信の環境は大きく変化しております。さらに、昨年3月に改正されました「避難勧告に関するガイドライン」では、とるべき行動が明確になるように、警戒レベルを付して速やかな避難行動がとれるような情報発信に努めるよう見直しが行われております。

そこで、令和二年度では、本市の情報手段の一つであります、「ほっとメール」において、Jアラートやヤフー防災アプリの情報を一体化させ、機能拡充を図ってまいります。

加えて、スマートフォンやタブレット端末・パソコンで、見たい場所を簡単に閲覧できるWEB版ハザードマップを作成いたします。

交通安全・防犯対策

次に、「交通安全・防犯対策」につきましては、引き続き、警察署や関係機関と連携しながら、子どもや高齢者の事故防止に重点を置き、交通安全の強化に取り組んでまいりますとともに、振り込め詐欺をはじめとする犯罪の防止に向けて、振興会や地域の防犯団体との情報共有を図り、これまで以上に、市民の皆様への犯罪情報の提供に努めてまいります。

生活環境の整備

次に、「生活環境の整備」についてであります。本市の恵まれた自然環境と快適な生活環境を確保するために、環境保全活動を推進してまいります。

具体的には、ごみの資源化率向上を図るためのゴミ分別の周知活動や合併浄化槽への新たな補助制度を設けるとともに、関連する公共施設の適正な管理・運営に努めることで、河川や海の水質保全を含めた環境保全を図ってまいります。

また、清掃センターの煙突を解体し、市民生活の安全確保に努めてまいります。

水道事業

次に、「水道事業」についてであります。安全で安心して飲める水道水を安定的に供給するために、令和元年度は、災害復旧に伴う中洲橋の配水管布設替工事や道路改修に伴う中洲線の配水管布設替工事などを実施いたしました。

令和2年度においては、平成三十年度に策定しました「垂水市新水道ビジョン」に基づき、老朽化した管路の更新事業を進めてまいります。

管路の更新と併せて耐震性に優れた管に更新することで、地震による災害時の被害を最小限にとどめ、安定した水道水の供給のため、適正な維持管理に努めてまいります。

土木行政

次に、「土木行政」についてであります。橋梁長寿命化対策を継続して実施するとともに、新たに公園遊具や市道舗装の長寿命化対策に取り組み、利用者の安全や利便性の向上に努めてまいります。

また、一般世帯及び子育て世帯向けの住宅リフォーム事業、空き家解体撤去助成事業を

継続するとともに、鹿児島県国民体育大会のフェンシング会場であります、垂水中央運動公園体育館の入口前広場や外部トイレの改修など、快適で良好な都市公園の整備を進めてまいります。

消防関係

次に、「消防関係」についてであります。市民の生命、身体及び財産をあらゆる災害から守るために、本署の救助資機材・牛根分遣所の小型ポンプ積載車の更新及び消防救急デジタル無線設備の一部更新などを行い、消防力の強化を図るとともに、市民向けの普通救命講習や応急処置指導などを実施し、救命率及び社会復帰率の向上に努めてまいります。

3つ目は「錦江湾横断道路から大隅横断道路ネットワーク構想の推進により基盤の強化を目指します。」でございます。

 

経済への挑戦

2つ目、「元気な垂水づくり!経済への挑戦」では、第5次垂水市総合計画に掲げる、まちづくりの目標「地域資源を活かした賑わいのあるまち」の形成に取り組みます。

農林業の振興

はじめに、「農林業の振興」についてであります。農業者の高齢化や後継者不足に対応するため、関係機関とも連携し、新規就農を目指す若い世代の確保に努めるとともに、新規就農者の経営が安定し定着できるように、生活支援給付金や農業機械の導入補助などのソフト・ハード面からの支援を継続してまいります。

また、農業生産性の向上を図るため、県農地中間管理機構と連携のもと、担い手への農地集積・集約化を推進してまいります。

農業者の経営改善や所得向上を図るため、新規作物推進事業や和牛の商品性を向上させるための支援に取り組んでまいります。

また、農用地、水路、農道等の地域資源の保全管理については、農村の多面的機能の維持・管理のための地域活動や営農活動の支援に取り組み、年々増加する野生鳥獣による農作物被害を低減させるため、有害鳥獣被害対策を充実させ、農業者の皆様と力を合わせて、より良い営農環境を構築できるように取り組んでまいります。森林整備については、引き続き、森林経営管理制度に基づき、大隅森林組合と連携し、森林保全を推進するとともに、山間部の林道や治山工事については、国や県などの関係機関に働きかけ、「安心・安全」なまちづくりの環境整備に取り組んでまいります。

なお、市民の皆様に、新鮮な野菜を安定的に流通させる拠点としての地方公設卸売市場につきましては、改正卸売市場法が令和2年度から施行されることから、本市の特徴を活かした健全な市場運営に努めてまいります。

水産業の振興

次に、「水産業の振興」についてであります。水産業の販路拡大に向けて、国内外の市場ニーズを的確に捉えた情報収集とPR活動を行い、継続的な販売促進を図るとともに、新たな販路拡大に繋がる取り組みへの支援を行ってまいります。

また、六次産業化の推進に向け、施設整備や消費者ニーズに対応した商品づくりやマーケティング活動を図るとともに、安全安心な養殖魚の確立に向けたカンパチ・ブリの人工種苗生産技術向上への支援を行ってまいります。

商工業の振興

次に、「商工業の振興」についてであります。地元商店街の活性化としましては、商工会と連携を図り、商店街が実施するイベント等への支援を行ってまいります。

また、本市特産品の販路拡大支援事業につきましては、これまでの商談実績の分析・検証を行い、効果的な販路拡大を進めてまいります。

そして、現在、国が進めているマイナンバーの普及とマイナンバーカードを活用した消費活性化に対応するため、マイキーID設定支援業務を行い、市民や企業へのマイナンバーカードの普及促進を図ってまいります。

また、道の駅「たるみず湯っ足り館」は、開設から14年が経過しており、老朽化した物産館の外壁補修等を行い、令和三年度のリニューアルオープンを目指してまいります。

観光振興

次に、「観光振興」についてであります。スポーツ合宿や国内外の体験型教育旅行の誘致活動を積極的に推進してまいります。また、3つの拠点であります「道の駅たるみず」・「道の駅たるみずはまびら」・「森の駅たるみず」及び昨年5月に日本遺産認定を受けた「垂水麓(ふもと)」を周遊する新たな旅行商品づくりへの支援を行い、本市の魅力ある観光資源のPRに努め、さらには、広域観光の推進を図るために、大隅広域観光開発会議や錦江湾奥会議、鹿児島県観光連盟などの関係機関と連携を深めてまいります。

今後もWEB媒体等でのPRを積極的に行いながら、テレビ、新聞、ラジオ等の報道機関との連携を強化し、さらなる情報発信の充実に努めてまいります。

未来への挑戦

3つ目、「元気な垂水づくり!未来への挑戦」では、第5次垂水市総合計画に掲げる、まちづくりの目標「次世代の担い手を育成・支援するまち」の形成に取り組みます。

地方創生

はじめに、「地方創生」についてであります。本市の人口は、昭和30年の人口をピークに減少し続けており、また、年少人口と生産年齢人口の減少に伴い、高齢化が進行しております。

こうした状況は、本市に限らず、全国の自治体において、あらゆる分野で、人口減少と超高齢社会の影響が拡大しており、これらの課題にどう対処すべきか、という点で、新たな挑戦を始めているところであります。

このような中、昨年12月、政府は、2020年度を初年度とする5か年の第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定いたしました。

国においては、第1期「総合戦略」の成果と課題を検証した上で、第2期「総合戦略」では、地方創生の目指すべき将来や、今後5か年の目標や施策の方向性などを策定するとともに、人口減少や、東京圏への一極集中がもたらす危機を国と地方公共団体がしっかりと共有した上で、まち・ひと・しごと創生本部が司令塔として、関係省庁の連携を深め、将来にわたって「活力ある地域社会」の実現と、「東京圏への一極集中」の是正を共に目指すこととしております。

地方に対しても、現行の「地方版総合戦略」の総仕上げと、「次期地方版総合戦略」の策定を求めており、引き続き、意欲と熱意のある地方の取り組みに対して、「情報支援」、「人材支援」、「財政支援」の三本の矢による支援を実施することとされております。

これらを受け、本市におきましては、第二期「垂水市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の本年三月までの策定を進めてまいります。人口減少への歯止めや少子高齢化への対策に特効薬があるわけではありませんが、引き続き、この難しい状況に真摯に向き合い、本市の魅力ある地域資源を前面に打ち出し、本市の将来のあるべき姿を思い描きながら、人口減少と地域経済縮小の克服に挑戦してまいります。

地域振興

次に、「地域振興」についてであります。平成28年度までに9地区全てで策定されています地域振興計画でございますが、現在、計画の見直しが進んでおり、本年度は、境地区と協和地区において、見直し計画が策定されております。令和2年度においては、垂水地区で計画見直しを、大野地区で2期目の計画づくりが予定されております。

引き続き、それぞれの地区が描く「ありたい姿」の実現に向けて、地域住民とともに地域づくりに取り組んでまいります。

移住定住の促進

次に、「移住定住の促進」についてであります。本市では、空き家バンク制度に基づき、空き家の有効活用を図ることで、移住定住を促した地域活性化に取り組んでいるところでございます。

引き続き、空き家バンク制度の利用拡大のために、登録物件での家財撤去やリフォームに対する助成を行ってまいります。

また、移住定住を目的とした、転入者や子育て世帯向けの住宅取得助成や新生活を始める世帯に対する民間賃貸住宅への家賃補助なども継続実施してまいります。

ふるさと納税

次に、「ふるさと納税」についてであります。ふるさと納税につきましては、昨年6月に地方税法等の一部を改正する法律が制定され、ふるさと納税の募集に要する費用割合を5割以下とすることなどの基準が定められたところでございます。

この法改正に先んじて、本市では、平成30年度より対策を講じるとともに、返礼品提供事業者との連携を図り、魅力ある返礼品の充実に取り組んだ結果、昨年12月末時点で、過去最高の11億円を超える寄付金をいただくことができました。

引き続き、国の制度見直しに関する情報収集に努め、迅速に対応できるよう備えるとともに、他自治体の動向を調査研究しながら、市の特産物の育成や発掘による産業振興を行い、本市の魅力ある返礼品の情報を積極的に発信してまいります。

税務関係

「税務関係」につきましては、公正・公平、適正な固定資産税の課税を図る目的で、令和元年度に着手いたしました「家屋全棟調査事業」は、令和2年度中に市内全ての家屋等の確認調査や空き家の把握調査を終え、評価替年度であります令和3年度より調査結果を反映した課税が開始できるよう努めてまいります。

子育て支援

次に、「子育て支援」についてであります。子育て支援センター事業をはじめ、ファミリーサポートセンター事業、乳児用品等購入助成、放課後児童クラブの新規開設など、住民のニーズを的確に捉え、積極的に事業を展開してまいります。

令和2年度においては、子ども医療費の助成対象者を18歳までに拡大することや、保育所等における国の無償化の対象とならない児童の保育料の軽減に加え、新たに副食費を助成することで、子育て世代の負担軽減をさらに図ってまいります。

また、既存施設の老朽化に伴う水之上児童クラブの新築工事などを行い、子育てしやすいまちづくりの実現に向けて取り組んでまいります。

教育行政

次に、「教育行政」についてであります。本年3月、新たな「第3期垂水市教育振興基本計画」が策定されます。この計画は、今後5年間の垂水の教育の方向性や事業・施策の内容をまとめたものであり、「感動と夢」をキーワードとする「垂水ならではの教育」の推進の礎となるものであります。そこで、令和2年度は、この計画に基づき各施策を展開してまいります。

教育環境の整備・充実

はじめに、「教育環境の整備・充実」につきましては、垂水小学校石積改修工事をはじめ、水之上小学校ほか二校の空調設備更新、計画的な樹木伐採など、児童生徒の安心・安全を確保し、より良い教育環境の整備を図るとともに、学校施設等長寿命化計画に基づく学校施設の補修・整備を計画的に進めてまいります。

さらに、本市にとって「なくてはならない存在」である垂水高校につきましては、令和元年度も公立4年大学の合格者を輩出したことから、より一層の学習環境の充実に努め、垂水高校生の進路実現のため、引き続き、各種検定や東進ハイスクール通信講座受講費用の助成などを行い、垂水高校の活性化に努めてまいります。

学校教育

「学校教育」につきましては、「わくわくどきどき!夢教室」をはじめ、「子どもたちに感動を味わわせ・夢を育む」総合プランを一層推進いたします。

さらには、グローバル化が進行する社会への対応や、新学習指導要領において「外国語教育の充実」が求められておりますことから、「青少年海外派遣事業夢の翼」など、「英語力向上総合プラン」を一層推進いたします。

また、教員の働き方改革が求められておりますことから、市内全小・中学校に統合型校務支援システムを新たに導入することにより、業務の効率化・負担軽減を図り、教育の質の維持・向上を図ってまいります。

社会教育

「社会教育」につきましては、市民館の耐震補強工事を行い、より安心・安全な生涯学習施設としての整備を進めてまいります。「市立図書館」の運営につきましては、昨年四月に、

「大隅広域図書館ネットーワーク協議会」に加入し、本年三月には、新システムが稼動することに伴い、加入団体である2市5町間での図書の貸出、蔵書検索、予約などが一枚の新しい図書カードで利用出来るようになり、利用者の利便性が向上します。

併せて、施設内の空調機器取替え修繕を行い、快適な読書環境の整備を進めてまいります。

文化財の保護・活用

「文化財の保護・活用」につきましては、昨年5月に、お長屋を中心とした「垂水麓(ふもと)」地区が日本遺産に登録されました。また、垂水島津家墓所がまもなく官報告示により、正式に「国指定の史跡」となりますことから、

この機会を好機と捉え、本市の歴史的魅力や特色を国内外へ戦略的に発信し、地域の活性化を図ってまいります。

また、垂水島津家とゆかりのある宮崎市佐土原町との交流事業の一環として、「垂水おもてなし少女・少年隊」による訪問や佐土原人形の「春を呼ぶ、垂水人形展」での合同展示を行ってまいります。

文化振興

「文化振興」につきましては、昨年度に引き続き郷土の偉人の顕彰事業として「瀬戸口藤吉翁記念行進曲コンクール」や、「和田英作・香苗記念絵画コンクール」を実施し、芸術・文化のまちをアピールしてまいります。

また、海上自衛隊の音楽隊による「ふるさとコンサート」での地元の小・中学生とのコラボ演奏や市民館に常設しております「子どもたちの夢と感動を育む絵画ギャラリー」の充実により、文化・芸術の一層の振興を図ってまいります。

スポーツ振興

「スポーツ振興」につきましては、垂水中央運動公園体育館の改修が本年度完了しましたことから、隣接する「たるみずスポーツランド」を含めて、市民の皆様や利用者に生涯にわたって様々なスポーツに親しみ、安全で安心して楽しくご利用いただけるように努めるとともに、市民の健康長寿に貢献してまいります。

加えて、スポーツ合宿誘致等による交流人口の増加が図れるよう、利用促進に取り組んでまいります。

また、いよいよ本年10月には、鹿児島県では48年ぶりとなる、第75回国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」が開催されます。本市では、

10月4日から10月7日にかけて、フェンシング競技が開催されます。このフェンシング競技に先立ち、7月にはスポーツチャンバラが、8月には綱引の競技が開催されます。

この3つの競技大会において、選手が実力を十分発揮できる環境を整え、「おもてなしの心」でお迎えし、より良い大会にするとともに、県外から参加する選手等に対し、本市の食や観光の魅力を情報発信することで、地域経済の活性化にも寄与する大会を目指してまいります。

以上、令和2年度の主要施策について申し上げましたが、これら施策を着実に推進するために必要なまちづくりの進め方として、「行財政運営」と「広報・広聴活動」について述べさせていただきます。

行政改革及び職員の人材育成

はじめに、「行政改革及び職員の人材育成」についてであります。本市ではこれまで行政改革を進めながら、多様化・高度化する市民ニーズに柔軟かつ的確に対応するため、市民に解りやすい、利便性の高い組織機構を構築しながら、市民サービスの低下を招くことのないよう取組んでまいりました。

今後は、新庁舎建設を見据え、少子高齢化や人口減少などの社会構造の変化に対応した行政サービスの提供、限られた職員数で最大限の行政効果が発揮できるよう、本市の実情に適した職員数を検証しつつ、効率的な組織機構の構築を図り、行政改革に取り組んでまいります。

また、地方分権の一層の推進による地方公共団体の役割の増大、市民ニーズの高度化・多様化を背景に、職員一人ひとりが困難な課題を解決する能力と高い業績を挙げることが求められてきておりますことから、研修等を通じて、職員個々の能力及び業績の向上を図り、組織全体の職務遂行能力の向上に努めてまいります。

財政運営

次に、「財政運営」についてであります。財政運営においては、定員適正化による人件費の抑制、地方債残高の縮減、基金積立の増など継続的に改善を進めてまいりました。

平成30年度決算における主な財務指標は、自治体の財政構造の弾力性を示す比率である「経常収支比率」が93.6%、収入に対する負債返済の割合を表す「実質公債費比率」が7.8%、財政の健全度を図る指標である「将来負担比率」が32.9%と国の基準を上回る数値はなく、財政運営は健全に保たれていると言えます。

また、市の借金である地方債残高は96億9,948万円と前年度より増加したものの、本市の地方債残高のピークである平成16年度の126億円は大きく下回っており、市の貯金である基金残高につきましても39億106万円と新庁舎建設事業等に備えた積立てを行えております。

しかしながら、本市の財政は、市税やふるさと納税などの自主財源の確保に努めてきたにもかかわらず、依然として、地方交付税などをはじめとする依存財源の占める割合が大きいため、今後も、弾力的で足腰の強い財政構造を構築し、将来にわたって持続可能な財政基盤の確立を図るため、事務事業の峻別を徹底し、無駄を排除した財政運営に努めてまいります。

広報・広聴活動

次に、「広報・広聴活動」についてであります。市民の皆様との協働によるまちづくりを進めていく上で、行政情報の積極的な発信は必要不可欠なものであると考え、誰もが見やすいように、広報誌のデザインや文字の大きさなどの見直しを行い、様々な行政情報や、まちの話題などを、市民の皆様に迅速でわかりやすくお届けできるよう広報活動を進めてまいりました。今後も市民の皆様が利用しやすいよう、広報誌やホームページの改善に取り組んでまいります。

また、広聴活動では、多様化する市民ニーズ、時代の変化を、いち早く市民と行政が共有することが重要であり、わたくし自身、一階市長席を設け、市民の皆様のご意見を直接伺わせていただいております。

今後も市民のお便りを通しての広聴活動や現場へ出向く姿勢を大切にし、市民の声に耳を傾け、新たな施策への反映に努めてまいります。

 

以上、市長公約である「元気な垂水づくり!経済・安心・未来への挑戦!」を踏まえ、第5次垂水市総合計画に掲げるまちづくりの目標に沿って、令和2年度実施してまいります施策を申し述べました。

 

第17代尾脇雅弥

 

このページに関するお問い合わせ先

垂水市役所企画政策課秘書広報係

鹿児島県垂水市上町114

電話番号:0994-32-1111

ファックス:0994-32-6625

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?